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白蓮れんれん - 第一話「花嫁御寮」のネタバレあらすじ

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このページでは林真理子著「白蓮れんれん」の第一話「花嫁御寮」のあらすじをご紹介して行きます。

尚、このページにはネタバレを含みますので、その点、ご理解頂いた上でこの先、読み進めて下さいませ。

  • 第一話「花嫁御寮」

    • 緊張する初枝
    • 待ち人来る
    • 金次の暴言
    • 予期せぬ真実

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第一話「花嫁御寮」

「白蓮れんれん」は伊藤伝右衛門と柳原燁子との結婚が見合いを経て決まり、燁子が伊藤家に初めて訪れるところからスタートします。

緊張する初枝

炭鉱業で財を無した伊藤伝右衛門とは言え、元々は貧しい平民の出身。

そんな伊藤家に華族出身の柳原燁子がお嫁として来る訳です。

この時の緊張に包まれた伊藤家の人々の心境が16歳の直方高等女学校に通う初枝の視点を用いてうまく描写されています。

初枝は伊藤伝右衛門の父「伝六」が還暦近くになってから村娘に産ませた子供です。

つまり、初枝は腹違いの母を持つ伊藤伝右衛門の妹に当たる人物です。

伊藤家の男達とまだ小学校6年生の静子(伝右衛門が知り合いの女性との間に作った子供)は小竹の駅まで伝右衛門と燁子を迎えに出ていますが、初枝は当日学校を休み、伝右衛門が燁子を伊藤家に連れてくるのを緊張した面持ちで一人家で待ち続けています。

初枝が通っていた女学校では、紀元節や天長節の時になると、生徒たちはご真影の前で長いこと「御名御璽」という合図があるまで最敬礼をさせられていたものでした。

また、「御名御璽」の合図で顔を上げる時には既に白いカーテンが閉められ、天皇と皇后の写真を見ることが出来ないようになっていたのです。

当時は天皇と皇后の写真さえも見ることが出来ないような時代だったようです。

そんな偉大な存在である天皇の親戚にあたる燁子が伊藤家に嫁いで来る訳ですから、初枝が緊張するのも無理はありません。

待ち人来る

しばらくすると、伝右衛門の甥にあたる八郎が家に一人先立って走って帰ってきます。

これはつまり、もう伝右衛門と燁子が家の近くまで迫っているというサインでもあります。

走り去ろうとする八郎は初枝は捕まえて、伝右衛門が嫁として迎える女性がどんな人なのかを八郎に尋ねてみると、八郎は「俺はあんな女嫌いだ」と言って、初枝の腕をうりほどき、土間に向かってまた走りだしてしまいます。

その理由は第一話の終わりの方で明らかになるのですが、八郎が土間に向かって走り去っていくと、丁度、伝右衛門と伊藤家の男達が薄縹の被布を着た美しい花嫁を連れて家に近づいてくるのが見えて来るのです。

燁子を見た初枝は勿論、伊藤家の女中達はあまりの燁子の美しさに言葉を失ってしまいます。

燁子は大正三大美人の一人と言われるほどの美人でした。

伝右衛門と燁子が家に到着すると、伝右衛門は長旅で疲れている燁子を気遣って「長い度で燁子は疲れちょる。すぐに部屋に連れてってやれ」と女中らに言い伝えます。

金次の暴言

伝右衛門が出迎えの男達と座敷に入った後、若い女中達は金次を取り囲んで燁子について話を聞こうとします。

金次は伝右衛門が伝右衛門の亡くなった前妻「ハル子」に子供がなかったため、養子に貰った子供です。

しかし、金次は「燁子は華族とは言え、妾の子供である」と言ったり、「八郎が甘えたような声を出して近づいていったのに、素っ気ない態度で接した」などといきなり燁子のことを悪く言い始めます。

八郎が家に帰ってきた時に「俺はあんな女嫌いだ」と言ったのは、燁子に素っ気ない態度を取られて子供ながらに傷ついたからのようです。

また、金次は続けて、燁子が今回の結婚が初めてではなく、出戻りの女であったこともベラベラと口に出して、女中らに教えてしまうのです。

燁子の回想

さて、部屋で長旅の疲れをとるように休んでいる燁子ですが、燁子は部屋の中でドーデーの「サッフォー」を読んでいます。

燁子はいつも最近続々と翻訳される海外の本を楽しみにしており、海外文学を読むのが彼女の趣味の一つなのです。

そんな燁子はしばらく本を読んだ後、パタンと本を閉じ、そして、伝右衛門との上野精養軒で行われたお見合いの席であったことを回想し始めます。

お見合いの席で仲人を務めたのは得能という人物。

得能は燁子に伝右衛門が群で初めての立派な女学校を作り、伝右衛門は土地の教育のためにはお金を惜しまずに使う人であると伝えていました。

また、その学校を燁子の好きなようにさせてくれるかもしれないという話も得能は燁子に話していました。

その得能の言葉に燁子は心が動き、燁子自身が卒業をした東洋英和女学校のような学校に、伝右衛門が作った女学校を育てることが出来たらなんて素晴らしいことだろうと燁子は一人、妄想を膨らすのでした。

そして、お見合いの席のことを回想し終えた燁子は次に伝右衛門と燁子が小竹の駅に到着した時のことを思い出します。

予期せぬ真実

小竹の駅に到着すると、小竹の駅から電車に乗ってきた静子と金次の弟である八郎を燁子は伝右衛門に紹介されることになります。

「俺の娘だ。よろしく可愛がってくれ。」

「八郎ちゅうて金次の弟じゃ、いずれ金次と同じように、俺の養子にしようと思うちょる」

燁子は伝右衛門に娘がいることも養子がいることも聞かされていなかったため、ここに来て、あまりの予期せぬ事態に当惑し始めてしまうのでした。

八郎に素っ気ない態度を取ってしまったのも、その時の動揺していた燁子には仕方がないことだったのです。

さて、見知らぬ土地で頼れる人物は夫の伝右衛門のみ。

ただただ、今は夫を信じて自分の困惑が消えていくのを願う燁子だったのでした。

他の話の白蓮れんれんのネタバレあらすじ

現在、白蓮れんれんのネタバレあらすじを追加している最中です。

まだ、全話文のあらすじは書けておりませんが、今月中には全ての話のあらすじが追加される予定です。

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